(研究実験の概要)
平均体重5.04gのニジマスを一試験区20匹用いて、
①基本飼料投与区(対照区)
②基本飼料+ヒスタミン1%添加区(ヒスタミン区)
③基本飼料+ヒスタミン1%+ステビア抽出物0.2%添加区(ステビア区)
の3区に分け、試験飼料を一日三回飽食量与え、四週間飼育。これによって、ヒスタミンに対するステビアの効力を比較。
その結果、各飼育区一尾あたりの飼料摂取量(累計)は、二週間までは各試験区間に大きな差は認められなかったが、それ以後ヒスタミン区は他の二区に比べて低下が著しかった。
平均体重も二週間までは各試験区間に差は認められなかったが、試験終了時の四週間目にはヒスタミン区が6.98g、対照区が10.93g、そしてステビア区はヒスタミンを同量投与したにも関わらず9.28gという有意な結果となった。
また、ニジマス胃組織の顕微鏡観察では、ヒスタミン区の粘膜細胞の先端が欠損した個所や、粘膜細胞と粘膜層が薄くなっている個所が多く見られたり、損傷の少ない部分でも粘膜固有層が著しく委縮しているのが観察された。これに対してステビア区は、同量のヒスタミンを摂取していたにも関わらず粘膜細胞は対照区と同じく先端部まで異常はなく、粘膜固有層も粘膜細胞の先端までよく伸展していた。
以上の結果により、ステビア抽出物にはヒスタミン解毒作用があることが推察されると結論付けている。 |